川辺川 脱ダム初会合 今後の段取り 具体策示せず 国・熊本県など
2009年1月14日 00:08 カテゴリー:社会 九州・山口 > 熊本
熊本県の蒲島郁夫知事が反対を表明した国の川辺川ダム計画について、
国土交通省九州地方整備局、同県、流域12市町村の代表者が話し合う
「ダムによらない治水を検討する場」の初会合が13日、同県庁で開かれた。
次回会合で河道掘削や流域の宅地かさ上げなど、具体的な対策の議論に入ることを確認したが、
いつまでに結論を出すのかなど今後のスケジュールは示されなかった。
会合で九地整の岡本博局長は「ダム以外の現実的な手法を極限まで検討し、
認識を共有したい」と述べた。蒲島知事も「知恵を絞り、
ダムによらない治水を検討する絶好の機会」として協議の意義を強調した。
しかし、協議の進め方に関して「ダムなしでこの地域の治水を考えるのは難しい。
簡単に答えは出ない」(岡本局長)として、国も熊本県も具体策や今後の段取りを示せなかった。
市町村長からは「国が政治判断をするべきだ」(徳田正臣・相良村長)や
「たたき台を示さないと話が進まない」(内山慶治・山江村長)などと国の対応を批判する声が続出。
安全を重視すべきだとする考えと、自然環境や民意にも配慮するべきだとする考えの対立もあり、
意見集約の難しさが浮き彫りになった。次回会合は3月の予定。
=2009/01/14付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/70763