大阪・松原市で5日朝、タクシーの運転手が乗客の男に首を切られ、ケガをする事件があった。
関西では、去年末にタクシー運転手が首を切られ、殺害される強盗殺人事件が2件起き、このうち東大阪市で起きた事件と今回の事件は、ともに犯人とみられる最後の乗客が大阪市平野区からタクシーに乗った形跡があるという。
5日午前4時45分ごろ、松原市でタクシー運転手・野沢俊樹さん(61)が、乗客の男に「金を出せ」と脅され、首を切られた。
野沢さんは自分で通報して病院に運ばれたが、意識がない状態だという。
男はタクシー代を支払わずに売上金2万5000円を奪って逃走した。
野沢さんによると、男は40歳から50歳くらい、灰色の帽子をかぶっていて、工場が並ぶ方に逃走。
その姿は工場の監視カメラに映っていたという。
現場周辺は工場が多く、事件が起きた午前5時前はほとんど人気がなく、現場から300メートル離れた路地と工場前に手袋が1つずつ落ちていた。
野沢さんのタクシーに付いているGPS(=全地球測位システム)の記録によると、野沢さんは5日午前4時40分に大阪市平野区の地下鉄喜連瓜破駅から男性客1人を乗せており、その5分後に襲われたことになる。
野沢さんの所属するタクシー会社は、防犯対策のため、車内にカメラの設置を検討している最中だったという。
大阪・東大阪市では先月30日、タクシー運転手・後藤利晴さん(67)が首を刃物で刺されて殺害され、売上金がなくなる事件があり、現場は人気のない工場地帯だった。
また、兵庫・稲美町でも先月29日、公園の駐車場でタクシー運転手・永田三郎さん(54)が首を刃物で刺され、死亡しているのが見つかり、車内からは売上金を入れる袋がなくなっていた。
タクシー会社によると、この事件でも、最後の客を乗せたのは午前3時ごろだった。
去年末の東大阪市の事件と今回の事件は、ともに犯人とみられる最後の乗客が大阪市平野区からタクシーに乗った形跡があり、さらに、犯行の手口も似ていることなどから、警察はこの2つの事件について、同一犯による犯行の可能性も視野に捜査を進める方針。
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