◎捜査難航、越年か 金沢のアパート殺人あす半年 千人聴取も手掛かりなし
今年六月、金沢市久安二丁目の会社員橋本清勝さん=当時(22)=がアパートの自室で殺害された事件は、
二十七日で発生から半年を迎える。金沢中署捜査本部は延べ一万人以上の捜査員を投入、関係者延べ一千人
以上から事情を聴いたが、これまでに有力な手掛かりが得られず、越年の公算が大きい。捜査本部が捜査の立て
直しも迫られる中、「(息子は)二度と帰ってこない」と、長男を失った両親の深い悲しみや怒りは今も続いている。
調べでは、橋本さんは六月二十七日午後八時半から深夜にかけ、頭を天ぷら鍋で複数回殴られ殺害された。捜査
本部は当初、橋本さんが食事中に下着姿で襲われていることなどから、顔見知りの犯行とみて、勤務先の同僚や専門
学校時代の同級生らを中心に繰り返し事情を聴いた。
しかし、捜査関係者によると、橋本さんの交友関係が予想以上に広いことに加え、若者の一人暮らしで同じアパート
住民との付き合いはほとんどないことなどから、橋本さんの生活実態をすべてつかみ切れていないという。このため、
これまでの捜査線上に浮かんでいない人物との関係やトラブルがあった可能性も捨てきれない。
一方、捜査本部は殺害現場から採取した指紋、毛髪などの資料鑑定をほぼ終えた。物証は相当量に上り、今後も
犯人につながる証拠がないか、さらに詳細な分析を進める。
事件当日の犯行時間帯にアパート周辺の駐車場に普段見慣れない黒色のジープ型の車が止まっていたことが、
付近住民ら数人の目撃証言として寄せられていたことが分かり、捜査本部は車の所有者の特定を急いでいる。
ただ、事件発生から半年、市民からの情報提供は少なくなっており、捜査本部は今月十八日から県警ホームページ
で事件の情報提供の呼び掛けを始めた。田賀勝刑事部長は「被害者や遺族の無念を晴らすため、一日も早い解決に
全力を尽くす」としている。
http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20081226105.htm http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20081226105.jpg 遺体発見から一夜明け、アパート周辺を調べる捜査員=6月30日、金沢市久安2丁目
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