【依頼357】
全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で2年連続でトップクラスの成績を収めた秋田県の寺田典城知事は25日、
県内25市町村別の小中学校の平均正答率を公表した。
全市町村の成績の公表は全国で初めて。
小・中学校が1校しかない自治体もあり、これらの自治体では学校の成績もわかる。
文部科学省は「序列化や過度な競争を招く」として、都道府県教委が市区町村別の成績を公表することを禁じている。
寺田知事が公表したのは、2007年度と08年度に行われた学力テストの秋田県内の全25市町村別と、
県立中学校の国語、算数・数学4科目別の平均正答率。
井川町と東成瀬村など6町村では、それぞれ小中学校が1校ずつしかなく、
事実上、学校別の成績が明らかにされた。
公表したことについて、寺田知事は「公教育はプライバシーに関するものを除き公開が基本であり、
学力テストの結果についても公表すべきものと考えていた。一層の学力向上を図るためにも、
市町村別の学力調査結果を公表することにした」と説明。「市町村による自主的な公表を期待し、
その動向を見守っていたが、本県では市町村別の平均正答率など有益な情報が県民に提供されないままとなっている」とした。
寺田知事は9月8日の定例記者会見で公表の意向を示して以降、公表すると繰り返し公言していた。
一方、市町村教委からは「序列化や競争に子どもが巻き込まれ、影響を与える。
少しでも不安があれば公表は避けた方がいい」などと疑問視する声が上がっていた。
全国学力テストは、学力低下問題を受け、文科省が07年4月、全員参加を前提としたテストとしては43年ぶりに再開した。
対象は小学6年生と中学3年生で、科目は国語と算数・数学。(2008年12月25日13時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081225-OYT1T00374.htm?from=main1