【カイロ=井上道夫】AFP通信などによると、アフリカ西部ギニアで23日、政府によるランサナ・コンテ
大統領の死去発表直後、国軍兵士らによるとみられるクーデターが起きた。首謀グループは国営放送で
「憲法を停止し、政府機関を解散する」と宣言した。
政府は23日未明、コンテ氏が22日、「長い病気の末、死去した」と発表した。数時間後、国軍幹部の一人、
カマラ氏が国営放送で「民主主義のための国民評議会」を名乗り、「政府はギニアが直面している危機を
解決できない姿をさらし続けてきた」と批判。「(同評議会が)ギニア国民の運命に責任を持つ」と話した。
閣僚らの身の安全を保証するとし、大統領選が近く実施される見通しを示した。
22日に死去したコンテ氏は1934年生まれの74歳とみられる。死因は明らかになっていない。
軍大佐時代の84年、セクー・トーレ大統領の死去後に国軍に擁立され、無血クーデターで政権を把握。
国際通貨基金などの支援で社会主義体制から市場経済への移行を進めた。93年には複数政党制に
よる大統領選で当選し、03年に3選を果たした。
だが経済は停滞。07年1月には、低賃金や物価上昇に不満を募らせた市民がコンテ氏の辞任を求めて
デモ行進し、治安部隊と衝突。200人以上が死傷する事件も起きた。
http://www.asahi.com/international/update/1223/TKY200812230240.html