20日に各省庁に内示された09年度政府予算の財務省原案で、流域の知事らが
反対を表明している国土交通省の大戸川(だいどがわ)ダム(滋賀県)、川辺川(かわべがわ)
ダム(熊本県)両計画はいずれもダム本体の建設を前提とした事業費が一切盛り込まれず、
同年度の事業は休止することになった。今後、知事らの反対姿勢が覆らない限り予算
措置されない見込みで、両計画は中止となる公算が大きくなった。
国土交通省は大戸川ダムで10億円、川辺川ダムで34億円を概算要求していた。
財務省原案では、水没予定地の住民に対する生活再建費や現地の工事事務所の
維持費、継続的なデータ収集が必要な水位・流量観測費、道路の保全費のみ認められた。
大戸川は5億円で主に工事事務所の維持・管理費。川辺川は21億円で、事務所費の
ほか、水没予定地住民の移転先などへの付け替え道路の整備費などの生活再建費と
なっている。国交省と地元の協議が整えば執行に移る。ダム湖予定地を挟んで分かれ
た移転先を結ぶ付け替え道路などに関する費用は、事業の中止が正式に決まれば
ダム予算そのものがなくなるため、別途、補助事業とするなどの手当てが必要になる。
両計画とも、概算要求にはダム建設を前提に環境調査費や地質調査費などが
盛り込まれていた。しかし、「知事らが明確に反対を表明している中、事業を強行
できないのは明らかで、着工を前提とした予算は認められない」(財務省)と判断され、
建設につながる部分はすべて削られた。
国交省の担当幹部は「現時点で先がどうなるかわからないダム本体の建設に
かかわる部分は、認められなくても仕方がない。この先の県側との協議の行方や
知事意見の正式表明の中身次第で今後の着工の是非を判断することになる」としている。
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http://www.asahi.com/politics/update/1220/TKY200812200123.html