ニコ動に見る、動画ビジネス黒字化の方法
2008/12/16
「ニコニコ動画」が黒字化に苦戦している。動画配信事業自体が黒字化に苦戦するであろうことは
彼らも分かっていたはずである。なぜなら元々、ニコ動自体は「他社でホストされている
動画アノテーションサービス」として始めたものであり“偏った人気”がありすぎてYouTubeから遮断された経緯を持つからだ。
課題はユーザー経験当たりのホスティング単価
動画ビジネスの課題を見てみよう。まず、明らかなのは、同一視聴時間当たりに必要なデータ容量の差である。
ブログなど、1画面を1分程度で見るテキストの容量は1KBにも満たないが、画像になると、100KB〜1MB、
ビデオではさらにその10倍程度。動画サービスでは、おそらくテキストベースのサービスに比べて1万倍以上の回線容量が必要とされる。
ところで、インターネットのバックボーンに利用されるコアリンクのファイバー当たりの伝送容量は、
1年で2倍というムーアの法則を凌ぐ、驚くべき成長スピードを持つ。それでもテキストベースの
サービスと動画サービスの1万倍というギャップを埋めるには、2倍ずつの成長で13年の時間がかかる計算だ。
13年前といえば1995年。ようやく国内でISPによるサービス始まった頃であり、インターネット接続も
従量制で凌いでいた時代だ。現在の動画サービスは、バックボーン環境は13年前と同様に
データ容量的にギリギリの運用なのに、ユーザーサイドは、インターネットに定着した使い放題が普通というミスマッチが存在している状況なのだ。
さらに、iTunesなどでようやく有料モデルが立ち上がりつつある音楽と比較してみよう。
iTunesの1曲あたりの単価は150〜200円である。1曲の演奏時間は5分程度。これに対し、動画配信は
レンタルビデオの料金が基準となるため、2時間の動画でも1本400円程度が多い。時間で単純に比較すると10分の1の料金しか取れないことになる。
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