台湾最高検は十二日、総統府機密費の不正流用事件をめぐり、陳水扁ちん・すいへん前総統を
マネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反や収賄、文書偽造などの罪で起訴した。
台湾で総統経験者が起訴されたのは初めて。台湾社会を揺るがした「総統ファミリーの大スキャンダル」は、
陳前総統の衝撃的な逮捕から一カ月となった同日、法廷に舞台を移すこととなった。
最高検特捜チームの陳雲南ちん・うんなん主任は、陳前総統らが約一億四百十五万台湾元(約二億八千万円)の
機密費を詐取していたと指摘し「不法所得は史上最多にもかかわらず反省していない」と批判した。
中央通信社によると、最高検は不正貯蓄が計約七億台湾元(約十九億円)に上ると認定した。
事件では陳前総統以外に呉淑珍ご・しゅくちん夫人や長男の陳致中ちん・ちちゅう氏、元側近ら計十三人が起訴された。
陳前総統は「捜査は政治的迫害」と主張し、裁判でも徹底抗戦する構え。呉夫人も「資金は政治献金」と違法性を否定している。
馬英九ば・えいきゅう政権は事件について静観する姿勢を示しており、十二日も「司法の独立に基づき評論しない」と短いコメントを出した。
陳前総統の起訴内容は(1)総統府機密費の不正流用(2)海外口座を利用した資金洗浄(3)台北市郊外の土地開発をめぐる収賄
(4)台北市内の公共工事の入札をめぐる収賄―の四つの事件。
機密費の不正流用をめぐっては二〇〇六年、呉夫人が横領罪で起訴されて公判中。
陳前総統は当時、不起訴特権で起訴を免れたが、最高検は五月の政権交代を機に捜査の開始を宣言。十一月十二日に前総統を逮捕した。
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