【依頼572】
12月11日(木)
ケーブルテレビのエルシーブイ(LCV、諏訪市)が、許可を得ていない東京都内の施設を使い、
在京キー局の地上デジタル放送を「区域外再送信」している問題で、テレビ朝日の福田俊男常務は
10日、都内で信濃毎日新聞の取材に応じ、LCVと、同社の施設を共同使用するテレビ松本ケーブル
ビジョン(松本市)について「信頼関係を裏切られた。テレビ朝日としては、両社と結んだ地デジ再送信
同意の契約をいったん白紙に戻さざるを得ない」と述べた。
同常務は日本民間放送連盟(民放連)地上デジタル放送特別委員会のデジタルテレビ放送専門部
会長を務め、地デジの再送信問題で、CATV側との協議を担当してきた。福田常務は「キー局はいずれも、
今後厳しい態度で臨むことになる」としており、契約を白紙撤回する動きは、フジテレビジョン、日本テレビ
放送網、TBS、テレビ東京の4つのキー局にも広がる可能性がある。
東京の民放キー5局はことし6月、地上デジタル放送の再送信をめぐる協議で、LCV、テレビ松本の2局と同意。
テレビ東京を除く4局は2014年7月までの期限付きで再送信を認め、テレビ東京は2局から対価を得る代わりに、
期限を設けず再送信を認めることになった。
LCVとテレビ松本は6月から地デジ再送信を開始したが、無許可施設の使用が有線テレビジョン放送法に違反する
として総務省信越総合通信局から早期是正の指導を受け、今月15日に再送信を停止すると決めた。ともに再開時期は未定。
アナログ放送の再送信は継続している。
テレビ朝日が地デジの再送信同意を白紙撤回する姿勢を示したことについて、LCVの片桐明彦副社長は「キー局には
引き続きおわびしていくしかない」と述べ、テレビ松本の佐藤浩市社長は「ノーコメント」としている。
http://www.shinmai.co.jp/news/20081211/KT081210ATI090015000022.htm