(前略)
当初は浦和の監督就任に消極的だった。だが、浦和とパートナーシップ契約を結ぶブンデスリーガ、
バイエルンから再三にわたる推薦を受け、クラブの状況を見極めるため来日を決意。
11月20日から12日間滞在し、その間にスイスリーグ、バーゼルからもオファーを受けたが、監督就任を決断した。
その決め手になったのが、日本一熱狂的で時には過熱することで知られる浦和のサポーターだったという。
「浦和は、ドイツでいえば名門のバイエルン。ホームで負けたのにもかかわらず、
6万人が無条件にチームを応援していた。あれほど辛抱強いファンは見たことがない」
同氏は、11月23日の清水戦(埼玉、1−2)と同29日のG大阪戦(万博、0−1)を視察。
いずれも敗戦だったが、ブーイングしないサポーターに目を奪われ、
「練習場の芝や日本の組織力もよかったが、何よりもサポーターがいい。疑問が解消した」と心を動かされた。
だが、この時期にブーイングがなかったことについて“勘違い”している可能性が高い。
伏線は11月3日の天皇杯4回戦・愛媛戦(駒場、1−0)にある。J2チーム相手の苦戦にサポーターの怒りが爆発。
会場の出口付近に約200人が居残り、藤口光紀社長を呼び出し、1時間以上にわたって事情説明させる事態に発展した。
フィンケ氏が視察した2戦はその直後で、しらけた気分も加わり、サポーターの抗議や批判的な言動が最小限に
とどまっていた時期だった。事実、歴史的な1−6大敗を喫した今季最後の横浜M戦(6日、埼玉)後、
同社長のあいさつがかき消されるほどの大ブーイングがわき起こった。同氏がこの光景を見ていたら…。
同氏は早ければ今週中に再来日して2年契約を結び、新スタッフや補強についての話し合いを行う見込み。
だが、その前にクラブは新指揮官に実情のすべてを説明し、“勘違い”を修正する必要がありそうだ。
http://sports.yahoo.co.jp/news/20081208-00000014-sanspo-socc.html