http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2008120202000090.html 小中学校で毎日行われている校舎の掃除。その意義や効率的な方法を授業として学ぶ
「掃除教育カリキュラム」が注目を集めている。掃除を通じて子どもの生きる力を
伸ばす狙いで、今年から各地の学校でセミナーが開かれ、教員が指導を受けている。 (福沢英里)
カリキュラムを作ったのは、ダスキン暮らしの快適化生活研究所(大阪府吹田市)。
教員らの「掃除をどうやったら効果的に教えられるだろう」という声に応えたものという。
同研究所が今年から、市区町村ごとの教育委員会の要請に応じて、カリキュラムを実践
するためのセミナーを開いている。
愛知県豊田市の伊保小学校でのセミナーには市内の小中学校から集まった十六人の教員が参加。
三つのグループに分かれて、掃除を通して伸ばしたい子どもの能力について模造紙に書き出した。
共通していたのは達成感、気配り、協調性、忍耐力、手際良くやる力、段取りをする力など。
「自分の分担をしっかりこなす責任感」「仕上がりをイメージする想像力」
「限られた用具を工夫して使う力」と書いたグループもあった。
同市の豊松小学校の磯谷敦子先生は「教室をきれいにしようという気持ち」を挙げた。
消しゴムのカスや給食の食べこぼしが床に落ちていても平気な子が目立つ。自分たちが使う
教室をきれいにして、気持ちよく過ごそうという目的意識を持たせたかったという。
掃除用具の正しい使い方や手順を理解することも大切だ。セミナーでは、雑巾(ぞうきん)
の絞り方、ほうきの使い方をグループごとに実践した。
参加した教員も掃除の仕方を誰かに習ったことはないため、自己流。いざ子どもに教えるとなると
どう説明するかに戸惑っていた。ある教員は「バットを握るように」と説明しながら、雑巾を絞った。
「水がたくさん出てきたね。出なくなるまでぎゅっと絞って」と実演する教員もいた。