薄幸の少女って何でこんなにそそるんだ?
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2008120102000091.html 「たった一つの命だから」という言葉の後にあなたなら、どんな言葉をつなげますか。
こんな問いかけを続けているグループがある。福岡県筑後市を拠点に、石川や長野両県
などに支部を置く『ワンライフプロジェクト』である
▼きっかけは二〇〇六年二月に、代表の冨田優子さんらが知人の紹介で、横浜市に
住んでいた西尾誉佳(えいか)さんと出会ったこと。難病との闘いにより利き腕を失ったが
左手でその年の年賀状に「たった一つの命だから」と書いていた
▼「私はね、右腕は失ったけどね、たった一つの命があるから」。十四歳だった少女は
命の尊さを口にしたという。無念にも翌年夏、この世を去ることになった
▼冨田さん自身、自分の子どもが難病と闘った経験を持つ。少女の言葉が小さくてもいいから
命を見つめ直すきっかけになってほしい。こう願って、友人の主婦や学生たちと活動を開始した
▼今までに世代を超えた千七百通以上のメッセージが集まり、三冊の本にもなった。
題名はずばり『たったひとつの命だから』。つなげる言葉は「毎日楽しく笑え」
「マイペースで生きる」「生きているだけでまるもうけ」「そっと優しく」
「一人では生きていけない…」など、各人各様である
▼重い問いかけだけに、軽々しくは答えられない。自分の人生に、思いを致した結果なのだろう。
心に深く染みてくる。