国際宇宙ステーション(ISS)の新しい水リサイクル装置のおかげで、
未来の宇宙旅行者は自分の尿から生成されたものを飲むことになるかもしれないが、今や気品を持ってそれができるようになった。
2003年に宇宙ステーションのフライトエンジニアを務め、何でも屋を自称するスペーシャトル「エンデバー」のドン・ペティト宇宙飛行士が、無重力カップを発明した。
折りたたんだプラスティック片に沿って液体を出し、ストローを使わなくて済むように工夫している。
無重力状態では液体が球状の塊になってしまうため、宇宙飛行士は封をしたパックからストローを使って飲み物を飲んでいる。
しかしコーヒーが大好きなペティト氏はストローで吸うのが気に入らず、オーバーヘッドプロジェクタに使われる透明なプラスティックシートを飛行機の翼の形に折りたたみ、テープで取り付けてカップを創作した。
「このカップがうまくいく仕組みは、飛行機の翼のように見える交差部分にある。角度が狭くなっているここからコーヒーが出てくる」。
ペティト氏は、ヒューストンにある米航空宇宙局(NASA)のミッションコントロールセンターに中継された映像でこう説明。この映像はNASA TVで放送された。
「このカップなら液体のほとんどをすすることができ、パックからストローで飲み物を吸い出す必要がなくなる」とペティト氏。
ペティト氏は27日、同僚のスティーブン・ボーウェン宇宙飛行士のためにもう1つカップを作り、
感謝祭の休日と宇宙探査に、そして「自分たちが宇宙にいる、宇宙にいられるという事実そのもの」のために乾杯した。
今回のシャトルの重要ミッションの1つは、2億5000万ドルを掛けた水リサイクルシステムを設置して、
宇宙ステーションのクルーが尿などの排水をリサイクルし、飲めるようにすることだ。
宇宙飛行士たちは乾燥七面鳥の感謝祭ディナーをISSのクルーと共にした後、28日のエンデバー離脱に備えて両船を結ぶハッチを閉じる。
シャトルは水浄化システムなどの機材をISSに届け、16日間のミッションを終えて30日にフロリダ州のケネディ宇宙センターに戻る予定。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0811/28/news048.html