■4回転を持つ選手たちの意地が出るか
ジュベール、ベルネルだけではない。ショートプログラムから4回転を跳ぶほどだったエバン・ライザチェクは、
スケートアメリカ3位、スケートカナダ3位で、ファイナル進出はほぼない状況。
セルゲイ・ボロノフ、アルバン・プレオベールら、4回転が武器の選手たちも、今季はまだ満足のいくプログラムを滑れてはいない。
結果、エリック杯までの4試合、全試合の優勝者が4回転を成功させていないという、
ジャンプの醍醐味(だいごみ)を愛するファンにとっては少し寂しいシリーズとなっている。
しかし、ロシア杯。
登場するのはジュベール、ベルネルを筆頭に、ヴァン・デル・ペレン、プレオベール、ボロノフら、4回転にプライドを持つ選手たち。
思えば2年前、新採点システム下で4回転への挑戦が少なくなり、このままクワド時代は終わりを告げるのか……と思われていた矢先、
フリーで2種類3度の4回転をジュベールが成功させ、「やはり世界のトップに立つにはクワドが必要」という空気を作ったのは、06年のロシア杯だった。
舞台は同じロシア、これまでの4戦のうっぷんを晴らすように、クワドジャンパーがずらりと表彰台に並ぶ……そんな光景も見てみたい。
アボットと4回転ジャンパーたちのほかにも、注目したい選手は多い。
大きな注目を集めながらスケートアメリカでは8位と、「シニアの壁」を経験したアダム・リッポン(米国)。
リッポンと同じくシニア1年目、こちらはデビュー戦の中国杯で4位と、なかなかの滑り出しだったアルテム・ボロデュリン(ロシア)。
彼とボロノフ、ウラジミール・ウスペンスキーらの毎年混とんとしているロシア一番手争い、今年は誰か跳びぬける選手が出るだろうか。
そして29歳にして現役、ここ数年は低迷しているが、調子が良ければこのメンバーのなかでも
一、二を争う美しい4回転ジャンプの持主、チェンジャン・リーの存在も忘れたくない。
出場する12選手、すべてが注目選手といってもいいロシア杯男子シングル。充実の一戦が見られそうだ。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/text/200811200008-spnavi.html