【ワシントン=西崎香】経営危機に直面しているゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社の
経営トップが18日、米議会の公聴会で窮状を訴え、生き残りには少なくとも250億ドル(約2兆4千億円)の
政府緊急融資が欠かせないとした。
米議会は自動車業界の資金繰りを助ける政府融資250億ドルの救済法案を審議している。上院の
銀行住宅都市委員会がGMのワゴナー、フォード・モーターのムラーリー、クライスラーのナーデリの
各最高経営責任者(CEO)らを呼び、公聴会を開いた。
10月の販売台数が前年同月比で37%も急落したクライスラーは、さまざまな現金支払いに「毎月約
40億〜50億ドルが必要。融資支援がなければ、流動性(手元の資金)が業務継続に必要な水準を下
回る可能性もある」と説明。GMのワゴナーCEOは「業界が破綻(はたん)したら最初の1年間で300万
人の雇用が失われる。コスト的には政府支援をはるかに上回る規模で、打撃が経済全体に波及する」と
語った。
業績悪化を背景に3社の手元資金は、年間推計でクライスラーが約50億ドル、GMが約150億ドル、
フォードが約140億〜170億ドルの減少という。
各社とも、政府融資を求める一方で、赤字体質からの脱却をめざし、コスト削減のリストラや競争力アップの
技術開発などを進める計画を示した。
http://www.asahi.com/international/update/1119/TKY200811190056.html