気仙地方の農林水産関係者による「三陸の食卓おすそわけ実行委員会」は、全国に浜の魅力を
発信する「奇跡の海三陸プロジェクト」を開始した。第1弾として大船渡市三陸町越喜来の浦浜
川に水中カメラを設置。遡上(そじょう)するサケの様子をインターネットで生中継している。
この映像を使ったデパートでのイベントや体験型旅行も計画。水産と観光を柱にしたビジネスモデルの構築につなげる戦略だ。
同実行委は水産物のネット販売を行っている大船渡市の三陸とれたて市場(八木健一郎社長)を中心に、
食品製造や酒造、農林などの民間企業と大船渡地方振興局の10団体で組織。国の「地方の元気再生事業」
として認定され、本年度は2100万円の補助を受けた。
第1弾として、越喜来湾に注ぐ浦浜川河口付近のサケ捕獲施設に、無線送信可能なライブカメラを設置。
サケの遡上風景やさまざまな生き物の様子を24時間観察できるサービスをスタートさせた。
カメラは水中と上空の2台を設置。自由にカメラアングルを移動することが可能。サケの遡上は今月下旬がピークという。
年内には定置網漁船やカキ養殖棚作業船、番屋などにもライブカメラを増設。三陸とれたて市場のホームページで見ることができ、ネット顧客の取り込みにもつなげる。
仙台市のデパートを会場に、映像を使った産直イベントも実施。それらに興味を抱いた消費者を対象に、実際の漁場や漁師料理などを体験できるツアーも開催する。
同実行委は本年度、海を中心に一連の事業を展開。来年度以降は山や里にも広げ、地域の総合産業としてプロジェクトを育てる方針だ。
代表を務める八木さん(31)は「岩手には素晴らしい素材があるのに、それを隠している」と強調。
「浜の日常を見せることで生産者と消費者の距離を縮められる。都会の人たちに日本の古里をつくることが最大の目標」と意気込む。
ライブ中継のアドレスは
http://www.sanrikutoretate.com/live/sake/ http://www.iwate-np.co.jp/news/y2008/m11/d13/sake-net081113.jpg 【写真=水中カメラの映像にサケの姿がちらり。今後は撮影場所も拡大するという=三陸とれたて市場のHP】
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081113_16 依頼579