建設中のスタジアム、半年間で2度目の火災に見舞われる−中国・済南市
中国・山東省の済南市で11日、完成間近の五輪体育センター「球類体育館」で火災が発生した。火災による死傷者は
出ていない。このスタジアムでは7月27日にも火災が発生しており、政府による建設プロジェクトの“質”に対して国民の注目が集まっている。国営新華社通信が伝えた。
消防当局によると火災は午前11時22分ごろ、スタジアム南東側で発生。火はあっという間に燃え広がり、
消防士200人以上を動員して消火にあたったが、鎮火までに3時間以上かかったという。
地元の記者は、「わたしが現場に到着した時には、すでに作業員や近隣の住民数千人が周囲で
火災を見物していました。共産党の高官や市長も現場に来ましたが、全員困惑している様子でした」と当時の様子について語っている。
記者の話では、今回は7月の火災発生現場とちょうど反対の場所から煙が上がっていたという。
7月の火災では、雨水を集積するために設置された屋根部のプラスチック膜材に溶接装置から発せられた火花が飛び、
発火したものとみられている。消防当局は、今回もこのプラスチック膜材が火元みて調べている。
スタジアムは来年開催される中国国内のスポーツ大会「第11回全国運動会」の会場に予定されており、
年内に完成する見通しとなっていた。済南市当局は火災の原因について詳細な調査が必要とコメントしたが、
火災の影響で完成時期がずれ込むか否かについては言及していない。
総工費30億元(約430億円)のスタジアムの建設をめぐっては、建設会社の決定が不正に行われたとの情報があり、受注会社と済南市当局の間に癒着があったのではないかとの見方もあるという。(c)South China Morning Post/Stephen Chen
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