かつての勤務先に恨みを持った元会社員らが、高度な情報操作が可能な「特権ID」と
呼ばれる管理者用のIDやパスワードを悪用し、会社のサーバーに不正アクセスする
事件が相次いでいる。昨年以降、不正アクセス禁止法違反容疑などで計七人を逮捕した
警視庁は「IDやパスワードは小まめに変えてほしい」と、被害に遭った会社側にも
注意を呼び掛けている。
「会社が派遣社員の給与をピンハネしていたとニュースで知り、いい気味だと思った。
情報を知りたくて役員らのメールを見た」。同法違反の疑いで今年九月、警視庁に
逮捕された三十代の会社員の男は、かつて勤めていた東京都内の人材派遣会社への
恨みを犯行動機に挙げた。
男はこの会社のシステム管理部門に所属していたが、上司とけんかして四年前に退社。
しかし、同社はそれ以降も、特権IDやパスワードを変更しておらず、男は会社の
サーバーにアクセスし、約一万三千件のメールを盗み見たとされる。
新生銀行(東京)の社内ネットワークに侵入し、ファイルを削除したとして
今年六月に逮捕されたインド人の三十代の男は「三年も働いたのに正社員への採用を断られ
腹が立った」と供述。男は昨年十月まで同行に派遣社員として勤務していたが、男が
辞めた後も不正アクセスを許す状態が続いていた。
企業向けセキュリティーシステムを提案する「NTTソフトウェア」(同)の
広報担当者は「セキュリティー対策は、売上高に直結しないため、おざなりに
れた面がある」と指摘する。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008110902000089.html