日本版・地上の楽園を創った男の物語

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20081104/CK2008110402000129.html

調布市で晩年を過ごした武者小路実篤が提唱した理想郷「新しき村」の
創立九十周年を記念した特別展が、同市武者小路実篤記念館(若葉町一)で開かれている。
実篤の運動に共鳴した知人の日記や手紙、写真など約百五十点の資料を展示。
同館では「理想に燃えた当時の熱気に触れてみてください」と話している。十一月三十日まで。 
新しき村は、実篤が「人間らしく生きる」ための理想社会をつくろうと一九一八
(大正七)年、宮崎県木城町に開村。ほとんどが山林と原野だったが、賛同者らとともに
開墾と土地改良を進めた。村の一部がダム建設のため水没することから、三九(昭和十四)年
に埼玉県毛呂山町にも開村し、農業を中心とした自給自足生活の確立に情熱を注いだ。
特別展では画家木村荘八の日記を公開。実篤が一八年に行った、村についての講演会での
感想がつづられており「武者の演説に感動する。まったく撃たれた」などと、当時の実篤の
熱意が伝わる文面が残されている。また、二九年に購入した水力タービンの実物も展示。
村での発電と精米に使われたという。
村では芸術活動も積極的に展開されており、演劇活動を記録した写真や、村の住民による
絵画作品なども多数紹介している。
現在も両県で計約二十五人が、新しき村で農業を中心とした共同生活を営む。首席学芸員の
福島さとみさんは「実篤の理想は生き続けている。混沌(こんとん)とした今の世の中だけに
『人間らしく生きる』という実篤の思いを知ってもらえれば」と話している。
2 なす