苦しい台所で育成ドラフトは史上最多26人の大繁盛
今年のドラフトで特徴的だったのが育成選手の増加だ。今年で3年目だが、過去2年は12人、15人。
苦しい台所で育成ドラフトは史上最多26人の大繁盛
今年は実に26人(投手13、捕手2、野手11人)が指名された。逆に前回2004年の一括ドラフ
トでは82人だった通常指名選手が今回は68人に減っている。育成ドラフト参加球団も1回目は5球
団だったが、昨年、今年は8球団が参加。中でもロッテは最多の8選手を指名した。
育成選手制度は選手育成を目的としてスタートし、最低年俸は240万円。戦力外通告を受けた自由契
約選手や外国人助っ人の雇用も可能で、公式戦出場は二軍戦に限られる。6月までは支配下選手枠への
登録が可能だ。
今年、育成ドラフトで最多の指名があった背景には各球団の苦しい台所事情があるようだ。昨年、今年
と最多の選手を指名したロッテは赤字減らしに球団一丸で取り組んでいる。05年に日本一になったシー
ズンは従来の年間赤字を約10億円減らしたそうだが、その後、成績ダウンにともない赤字が増加。今
季の赤字額は日本一になる前の約28億円に達するそうだ。
「某人気球団でも経費にうるさくなった。鉛筆一本やノート一冊でも新しく使う際は、きちんと帳面に
書いてからもらう。ひと昔前には考えられないことです。従来なら試合前に投げる打撃投手を一泊させ
ていたが、仕事が終わればその日のうちに遠征先から戻す球団も増えた。各球団とも経費削減のやりく
りに必死といいます。セ・リーグ球団は放映権料1億円という、巨人戦の地上波の試合が減り、その影
響も大きい。もちろん巨人だって例外ではない」(担当記者)
さらにいえば育成枠から巨人の山口(67試合で11勝2敗2S、防御率2.32)、楽天の内村
(47試合で.289、13打点、9盗塁)、中村(49試合で.292、1本塁打、12打点、6盗
塁)など一軍で活躍する選手が出てきた。安いカネで活躍できる選手が取れるなら球団にとってもそれ
に越したことはない。
プロ野球の人気が低迷し続ければ、いずれ通常のドラフトより育成ドラフトの方が賑わうようになるか
もしれない。
http://news.livedoor.com/article/detail/3884594/