「もしもし、多田野と申しますが…」
10月30日に行われるドラフト会議まで残り1週間を切った。今年も直前まで各球団の
指名戦略は二転三転することが予想される。アマ野球担当記者にとって、1年で最も
忙しくなる時期だ。翌日の紙面に掲載するため、高校の監督や部長先生、大学や社会人の
マネジャーさんにご協力を仰ぎながら、指名候補とされる選手のプロフィールや顔写真の準備を進めている。
指名対象となるのは、高校や大学、社会人チームに所属する選手に限らない。連絡先が分からない選手も、ごくたまにいる。
昨年の大学・社会人ドラフトを思い出す。「日本ハム 1巡目 多田野数人投手」。生中継の
テレビ画面にその名が映った瞬間、僕は頭を抱えた。多田野は今、どこにも所属していない。
指名の瞬間を、どこで迎えたんだろう。コメントをとるには、どうしたらいいんだろうか?
多田野が立大時代に担当していた記者が、実家の連絡先を知っていた。電話すると、男性が出た。
ご家族の方かな、と思った。
「突然のお電話で恐縮します。多田野さんのお宅でしょうか。報知新聞のアマ野球担当記者をしています、
カトウと申します」
「すいません。実は今、たてこんでおりまして。こちらから後ほどお電話してもよろしいでしょうか」
指名された直後だもの、当然だ。恐縮しながら、こちらの連絡先を告げる。
「お忙しいところすいません。ご連絡よろしくお願いします」
ドラフト会議は着々と進行していく。おっ、この選手の顔写真あったかな? ゲーッ、この選手は
プロフィール押さえてなかったなあ。なになに、王さんが東洋大・大場の元へ早くもあいさつへ出向くって?
カメラを手配しなくっちゃ! そんな調子でバタバタしていたら、小生の携帯が鳴った。見知らぬ番号からだ。
誰だろう? (
>>2以降につづく)
http://weblog.hochi.co.jp/moeama2/2008/10/post-77b2.html#more