四日市市の中心部を流れる阿瀬知川で21日、アユの生息が確認された。以前は生活排水が流れ込みヘドロが堆積(た
いせき)していた川を泳ぐアユに、住民らは喜びの声を上げた。
確認されたのは体長10−20センチの30匹ほどの群れで、近鉄四日市駅の東約200メートルの同市浜田町の同川で泳
いでいた。ほかの流域でも目撃されており、四日市港から遡上(そじょう)してきた約100匹が生息しているらしい。
以前の阿瀬知川は、川底が見えないほどヘドロが堆積し、夏場には悪臭で周辺の家庭が窓を開けられないような川だった
。このため地元住民らは「阿瀬知川を美しくする会」を結成。2000年から、水質改善に効果がある微生物群「EM」を川に投入し浄化活動をしている。
これまでコイやウナギなどは確認されていた。ただアユ発見の知らせには当初、会の堀木忠郎会長(77)も「ばかなこと言っちゃいかん
」と信じられなかったという。そんな堀木会長もこの日、同市浜田町の米倉靖さん(72)が実際に釣り上げたのを見て納得した。
県鈴鹿水産研究室(鈴鹿市)の中西尚文主任研究員によると、アユは春ごろに海から川に遡上する。今年は例年以上に遡上するアユ
が確認されており「きれいになった阿瀬知川にも上ったのではないか」と話している。
堀木会長は「バンザイという気分。川を汚さず大事に見守ってほしい」と願っている。
(土屋晴康)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20081022/CK2008102202000028.html