政府が在外米国人の私的通話を盗聴と 元通訳兵らが告発
ワシントン(CNN) 米国家安全保障局(NSA)がテロ監視活動の一環と称して、
外国に滞在する米国人と国内の家族や恋人らとの国際電話を盗聴、記録していたとの疑惑が浮上し、
米議会が調査に乗り出している。
米軍で通訳を担当していた元兵士2人が、9日放送の米ABCテレビの番組で、
盗聴にかかわった経験を明かした。
ABCとのインタビューに応じたのは、元陸軍予備兵のアドリエン・キン氏と、
元海軍のデービッド・マーフィー・フォーク氏。
ともに通訳要員として、ジョージア州にあるNSAの通信傍受施設に勤務していた。
ブッシュ政権が設けたテロリスト監視プログラムでは、テロ容疑者のかかわる国外との通信を、
情報機関が令状なしで傍受することが認められている。
プログラム発足時にNSA局長だったヘイデン中央情報局(CIA)長官は、
「国民の私的な会話を傍受することはないし、偶然傍受してしまった場合はただちに記録を削除する」と
強調してきた。
だが両氏がABCに語ったところによると、NSAでは日常的に、
イラクなどに駐留する米兵や、ジャーナリスト、支援活動家らが、
国内の家族らと交わした会話を傍受していた。
「テロとは何の関係もない人々が、個人的、私的なことを話していた」
「だれかが傍受した恋人同士の会話などを仲間に聞かせることもよくあった」と、両氏は指摘する。
疑問を感じて上官に訴えても、そのまま記録を続けるよう指示されるばかりだったという。
これに対し、NSAの報道担当者は「通信傍受は法や規則にのっとって行われている」と反論。
内部調査の結果、一部の指摘はすでに「根拠なし」と判断され、
引き続き徹底的な調査を進めていると述べた。
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200810100005.html