【東京支社】二戸市浄法寺町の浄法寺漆を使った汁椀(わん)が、大手百貨店・伊勢丹(東京都新宿区)の企画ブランド
「オンリーアイ」で発売され、即日完売する人気商品になっている。国産品に関心が高まる中、下地も含めてすべて浄法寺
漆を使ったぜいたくな椀だ。9月から展開を始めたが、現在は注文から1カ月待ちの状態。同社は今回の成功を機に「浄法寺塗」での企画も検討していく。
企画した「浄法寺漆汁椀」は、1点1万500円。通常は下地に値段の安い中国産漆を使うが、浄法寺漆を100%使用し、丈夫で見事な光沢のある商品ができた。
9月10日から首都圏を中心に8店舗で展開したばかりだが、全95点が完売する人気で在庫がなくなった。現在、追加で100点を発注している。
伊勢丹は「中国産ではなく、すべて国産の汁椀はないのか」という顧客の要望に応える形で企画。
インターネットで県の「浄法寺漆振興戦略」を知り、国産の中でも特に質の高い浄法寺漆を使うことになった。
今回は県浄法寺漆生産組合の佐藤春雄組合長の漆を使用。木地は石川県加賀市、塗りは同県輪島市の職人がそれぞれ担当した。
伊勢丹リビング統括部支店グループ商品部和洋食器・特選ユニットバイヤーの稲垣繁さんは「すべて国産漆で仕上げた汁椀の企画は初めて。
汁椀は主流単価が1200円程度なので、1万円超の商品がこれほど売れたことは過去にない」と驚く。
好評のため、今後は本県産の木地を使い、浄法寺の職人が塗る「浄法寺塗」での企画も検討していくという。
佐藤組合長は「本当の浄法寺漆だけを使っているので、丈夫で長持ちするのは間違いない。
使えば分かるので、多くの人に最高の商品であることを知ってほしい」と話す。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081015_16 【写真=伊勢丹の企画ブランド「オンリーアイ」でヒット商品になっている浄法寺漆汁椀=相模原店】
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