三浦元社長:「新証拠はなかった」…ロス郡地検広報官
【ロサンゼルス吉富裕倫】
米ロサンゼルス郡地検のサンディ・ギボンス広報官は14日、輸入雑貨販売会社の
三浦和義元社長(61)が自殺し終結したロス銃撃事件(81年)の訴追について
「DNA鑑定や、新証言などの新しい証拠はなかった」と述べた。
三浦元社長が米自治領サイパンで逮捕された2月末以降、地検が新証拠の有無について言及したのは初めて。
三浦元社長は、ロス市内で妻一美さん(当時28歳)の頭部を銃撃させて殺し、保険金を
だまし取ったとして94年、東京地裁で無期懲役の有罪判決を受けた。
しかし、銃撃実行者との共謀に関する証拠が足りないとして、98年東京高裁で逆転無罪となり、
03年に最高裁で無罪が確定した。
このため日本では、三浦元社長の2月の逮捕をめぐり「米捜査当局に新しい証拠があるのでは」
という憶測を呼んだ。
「FBI(米連邦捜査局)が2月末、日本の警察庁に『新証拠を発見した』と連絡した」とも
報道された。
しかし、ギボンス広報官は「(各州にまたがる捜査が専門の)FBI捜査員は、絶対にこの
事件のことを何も知らなかった」と報道を否定。
「(日本側との捜査協力に基づき、三浦元社長の殺人と共謀容疑で逮捕状を請求した)
88年当時と同じ証拠だ」と述べた。
三浦元社長と共謀した銃撃実行者を特定しないまま訴追していることについて、ロス
地検の関係者は「状況証拠が豊富で、米国では陪審員を十分説得できると判断した。
そうした判例もある」と日米間の刑事司法の違いを指摘。
米国では特殊なケースでないことを強調した。
http://mainichi.jp/select/jiken/lashooting/news/20081016k0000m040162000c.html