日本経団連は14日、人口減少社会に向けた提言書を公表した。
高度な技能をもつ人材や留学生を中心とする移民を海外から受け入れ、日本経済の競争力を保つべきだとの見解を示した。
これまでも外国人の働き手が必要と主張してきたが、移民の受け入れまで踏み込んだのは初めてとなる。
「人口減少に対応した経済社会のあり方」と題する提言をまとめた。
今後50年の間に、日本では働き手となる15―64歳の人口は4600万人弱に減る。
今よりも半減することを踏まえ、人材確保が欠かせないと強調した。
その柱として「日本型移民政策」の検討を掲げ、関連法整備や担当大臣設置を求めた。
高度人材や留学生に加え、看護師といった一定の資格をもつ「中度人材」の活用にもふれた。
経団連の試算によると現状の医療・介護分野のサービスを維持するには2055年時点で約180万人が足りないという。
単純労働者については「先進国の過去の移民政策の失敗もあり、さらに議論を深めていくべきだ」と慎重な姿勢を崩していないが、
相当規模の受け入れを想定した議論が欠かせないとした。(14 日 22:20)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081014AT3S1401L14102008.html