電気分野の研究者や技術者でつくる学術団体、社団法人電気学会(東京都千代田区)が、今年設ける
顕彰制度で「秋葉原」を表彰することを決めた。「世界中から客を集め、時代に合わせて電気技術の発
展に寄与した」のが理由。地元では「6月の無差別殺傷事件で、このところ暗い話題ばかりだった」と歓
迎の声が上がっている。
アニメやメイドカフェなど、今では「オタクの聖地」として世界に知られる秋葉原は、戦後間もなく電気を
学ぶ学生向けに真空管やラジオ部品を売る店が国鉄(当時)のガード下に集まったのが始まりとされる。
高度経済成長期には家電量販店が軒を連ね、80年代のテレビゲームブーム、90年代のパソコン普及
で勢いを増した。
地元を代表して賞を受けとる秋葉原電気街振興会(会長・小野一志オノデン社長)の福谷忠事務局長は
「学術団体からの表彰は初めて。戦後の発展を担ってきた秋葉原の役割に光が当たる」と喜ぶ。
電気学会は1888(明治21)年に設立された古参の学術団体で、会員は個人約2万4000人、
法人約450。今年の創立120周年を記念し、電気の普及や発展に貢献した人や技術を顕彰する「でん
きの礎」を設けた。ほかに日本語ワープロの初期技術など9点を選び、17日に都内で表彰式を行う。【井上英介】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081007k0000m040045000c.html 依頼91