携帯サイト、狙われる少女 凶悪事件に発展も
携帯電話のインターネットサイトが悪用され、少女らが犯罪被害に巻き込まれるケースが後を絶たない。
匿名性の高いサイトは犯行を容易にするツールとなり、その利用形態も多様化している。
宮城県警は「携帯を使う子どもが、犯罪被害に遭わないような環境づくりが必要」と警鐘を鳴らしている。
石巻署などが9月に摘発した、暴力団組員らによる少女売春事件。少女の世話役の女が「お金に困っています」
「今、会える人いませんか」などとサイトに書き込み、応じた客にホテルなどで少女と引き合わせていた。
調べに対し、女は「(客を探すのに)携帯サイトは手っ取り早く使え、金もかからない」などと供述。
組員らは少女に年齢を18歳とうそを言うよう指示し、2万円前後で男性客と性的行為をさせていた。
売春で得た現金の大半は、組員が吸い上げていたという。
仙台市の自衛官の男(29)が7月下旬、白石市内の少女=当時(12)=にわいせつな行為をしたとされる事件は、
仲間探しをうたう「情報提供サイト」が利用された。このサイトは、「異性紹介事業」を取り締まる出会い系サイト規制法の適用外。
県警少年課によると、18歳未満の書き込み制限がなく、メールアドレスなどの個人情報を簡単に交換できることから、
犯行を誘発する端緒になるケースも少なくないという。
県内で今年1―8月、児童福祉法違反などの犯罪被害に遭った18歳未満の男女は70人。うち、
携帯サイトなどインターネットが絡んだ犯罪の被害者は30人に上った。
携帯サイトを利用した犯罪の中には、東京都の女性=当時(19)=が4月、出会い系サイトで知り合った男に
車で連れ回され、山梨県で行方不明になるといった凶悪事件に発展する危険性もはらんでいる。
県警少年課は「携帯を持つ子には、親が使い方をしっかり教えるべきだ。犯罪につながるようなサイトを
排除するなどの対策も求められる」と指摘している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/10/20081004t13035.htm