東京大学大学院農学生命科学研究科の付属農場(東京都西東京市)が平成9〜11年度の3年間、使用が禁止されている
水銀系農薬を使用して、実習田でコメを栽培していたことが2日、分かった。収穫されたコメは周辺住民に販売されていたという。
東大は同日午後、同農場で住民説明会を開催する。
東大では今年9月、内部通報を受けて、調査委員会を設置し、残留農薬などの調査を始めるとともに、同農場で
生産された農産物の販売を中止している。
東大によると、使用されたのは昭和48年に農薬として使用が禁止された「酢酸フェニル水銀」。同農場の技術系職員が
平成9〜11年度、実習用農場で栽培するコメの種もみの殺菌用に使用。職員は10リットルの水に、酢酸フェニル水銀を
含んだ錠剤状の農薬を溶かし、種もみを長時間浸したという。
また16〜20年度には、研究用の水田で栽培する種もみの消毒に、18〜19年度には、柿やリンゴの苗木の消毒に
それぞれ使用。これらの収穫物は一般には販売されていないという。
大学側の調査に対し、農場側は農薬の使用を認め、「殺菌効果が高かったため、消毒用に使用した」と説明しているという。
東大では保管状況などの確認を進めている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081002/crm0810020945005-n1.htm