Cell上でフルHDのH.264をリアルタイム・エンコード,フィックスターズがコーデックを開発
ビットレートが約300Mビット/秒のフルHDの元データをHDD上に置き,これをCellを搭載したボード
「GigaAccel 180」でエンコードした。8個のSPEを動作させている。
符号化速度は約10Mビット/秒である。エンコード済みの映像は,GigaAccel 180のEthernetポートを通じて送信し,
ネットワーク上にあるノート・パソコンで再生した。GigaAccel180上で動作させているOSはLinuxである。
フィックスターズは,フルHD(1080p,30フレーム/秒)の映像をリアルタイムで「H.264/MPEG-4 AVC」に
エンコード可能なソフトウエア・コーデックを,米国のベンチャー企業である米Broadcast International, Inc.と共同開発した(発表資料)。
マイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」向けのコーデックとしては,世界で初めてリアルタイム・エンコードを可能にしたという。
ISPなどIPTVの配信事業者や監視カメラ・メーカーなどに向けて販売する。
Broadcast International社のコーデック製品「CodecSys」を基にして,Cell向け並列化の最適化作業などをフィックスターズと共同で行った。
Core 2 Duoを搭載した通常のパソコンでエンコードする場合と比べると約8.6倍,Cellの信号処理プロセサ「SPE」への並列化を行わず
PPEだけで動作させた場合と比べると約100倍,エンコード時間を高速化したという。
一般にプロフェッショナル用途のH.264エンコーダーはASICなどを用いたハードウエア型が普及しているが,
「価格は数百万〜数千万円」(フィックスターズ)である。フィックスターズは今回のソフトウエア・コーデックを用いることで,
こうしたハードウエア型のエンコーダーよりも大幅な低価格化が可能とみている。
さらにソフトウエア・コーデックであることから,映像の内容や特徴を解析しエンコード時の設定を自動的に変更するといった
アプローチを取りやすく,これにより画質や圧縮率の向上が可能となる。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080924/158432/?ST=d-ce 依頼117