ゲーム「閉鎖病棟」に抗議文―日精協
廃墟となった病院で、主人公(プレーヤー)が武器を使ってモンスターを倒すゲーム「DEMENTIUM〜閉鎖病棟〜」が、精神科医療に対する差別や偏見を助長する恐れがあるとして、
日本精神科病院協会(会長=鮫島健)はこのほど、ゲームソフトを販売する「インターチャネル」(東京都世田谷区、竹内茂樹社長)に対し、販売中止などを求める抗議文を送った。
9 月26日に東京都内で開催された同協会の定期代議員会で、同協会の河ア建人常務理事(水間病院院長)は、抗議文を出した経緯について説明。
「社会復帰に向けて懸命に治療に取り組んでいる患者、医療関係者を冒涜し、
ひいては精神障害者の方々や、精神科医療に対する差別や偏見を助長する恐れがある」と不満をあらわにした。
その上で、 「今回の問題に限らず、精神保健、福祉の啓発、国民の理解の深化という方向性で関係団体と協力しながら進めていきたい」と協力を呼び掛けた。
同協会によると、ニンテンドーDS用のゲームソフト「閉鎖病棟」は、「グロテスクなホラーゲーム」で、このようなゲームの名称として、
精神科病棟として法律上認められている治療環境の名称である「閉鎖病棟」を使用することは「甚だ遺憾(いかん)」としている。
また、ゲーム内には、「統合失調症」「抗精神薬」など、精神科の病名や薬剤名が使用されているという。
このため、同協会は9月22日付けで、「貴社ホームページ『ゲーム』のTOPページも併せ、
このゲームソフトの販売中止など、早急な対応を求めます」との抗議文をインターチャネル社に送付した。
抗議を受け、同社は「ゲーム」のトップページに「閉鎖病棟」のソフトを掲載しないよう既に修正済み。
販売中止の要求について、同社の担当者は「現時点では詳しくコメントできないが、協会と対立する意図はないので、誠意を持って対応したい」と話している。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18411.html