北田暁大 (東京大学助教授) 「2ちゃんねるを素で受けてる人ほど「メディア批判」の大切さとか言う」

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1 農業(東京都)

http://media.excite.co.jp/book/interview/200311/p03.html

――それだけじゃないと思いますが……。でもタイトルが
「嗤う日本のナショナリズム――『2ちゃんねる』にみるアイロニズムとロマン主義」ですから(笑)。
北田さんは、2ちゃんをよくご覧になっているんですか?

北田 昔に比べると少なくなりましたね。あの論文の話ともつながりますけど、やっぱり2ちゃんがつまらなくなっているように思うんです。
2ちゃんの面白さって、もともとは、学級委員みたいな存在を嗤うようなアイロニカルなコミュニケーションにあったんじゃないかと。
ところが、そういう皮肉さみたいなものが少しずつ摩滅してきて、《繋がり》の持続だけを求める形式主義的な傾向が強くなった。
そこに「嫌韓」とか「反サヨ」とか分かりやすいロマン的課題が流れ込んできてしまって
、いつのまにか自分が正義の人、学級委員長になってしまっている。
他人の自意識をせせら笑う皮肉屋自身が、誰よりもナイーブに自意識を肥大させているという感じでしょうか。


北田 2ちゃん情報をそのまま受け取る人すらいますからね。「2ちゃんを見てはじめて韓国の人間はヒドイ奴らであることが分かった」と
大マジメにいう学生を見たときはビックリしましたね。そういう学生が、たとえば「メディア批判」の大切さとか言う。
2ちゃんねるを素で受けてる人がそんなこと言うなよって。まずは2ちゃんを「嗤う」リテラシーを身につけなくてはならない。