三菱UFJがアコム子会社化
消費者金融 再編加速も
三菱UFJフィナンシャル・グループは8日、系列の消費者金融大手のアコムを子会社化すると正式発表した。
TOB(株式公開買い付け)でアコム株の保有比率(議決権ベース)を現在の15・77%から40・04%に引き上
げることを目指す。監査担当役員も派遣する。TOBにより目標とする株式を取得できない場合、三菱UFJはア
コムが実施する第三者割当増資を引き受けて出資比率を引き上げる。
買い付け価格は1株当たり4000円で、過去1か月間のアコムの平均株価に対し、29・70%上乗せした価格
となる。買い付け期間は16日から10月21日までの24営業日。40・04%まで買い増した場合の買い付け総額
は約1500億円となる見通しだ。
三菱UFJは昨年以降、グループ内のクレジットカード事業や信販事業の再編を進めてきており、アコムの子会
社化でグループの収益の柱と位置づける個人向け事業の再編に一定のめどを立てたことになる。また、アコムと
共同出資し、業績が伸び悩んでいる消費者金融会社のDCキャッシュワンをアコムと統合させる方針だ。
三菱UFJはアコムの子会社化により、三菱東京UFJ銀行が行う個人向けローン事業などにアコムの貸し出しノ
ウハウをこれまで以上に活用する狙いがあるほか、アコムの収益を連結決算に一段と取り込める利点もある。
ただ、消費者金融業界は規制強化を受けて今後大幅な収益増は見込みにくい状況だ。
一方、アコムは三菱UFJと関係を深めることが財務基盤の強化につながると判断した。消費者金融業界では、
大手銀行の信用力を頼りにできない独立系が資金調達の際に銀行系より不利な条件を強いられているとの見方
もある。今後はアコムの三菱UFJ傘下入りが、消費者金融業界の一段の合従連衡の呼び水になるとの観測も浮
上している。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20080909mh01.htm