欧州原子核研究機構(CERN)がスイスとフランスの国境沿いの地域に建設を進めてきた大型ハドロン衝突型加速器(LHC: Large Hadron Collider)
の運用の禁止を求める訴訟が21日、米ハワイ州地方裁判所に提訴していたことが27日までに明らかとなった。
原告は米国政府の原子力保安検査官を務めたウォルター・ワグナーさん。ワグナーさんはLHCでの極小ブラックホール生成実験は、
安全性が確認されているとは言えないとした上で、不用意にブラックホールを生成することは、その影響で災害が起きる可能性があると主張。
その上で第三者機関によってLHCの安全性を確認できるまでの間、LHCの運用を禁止する仮処分命令を出すように裁判所に求めている。
CERNでは年内にもLHCの稼動を開始する予定で現在、最終準備作業を進めている。
LHCでは実際に、極小ブラックホールの生成実験が予定されている。しかし、LHCによってミニ・ブラックホールが生成できたとしても
そのミニ・ブラックホールは、理論上はホーキング放射によって直ぐに消滅することなども予想されており、実験そのものには危険性はないとする考えが今のところ、大勢を占めている。
ただし、一部では実験の危険性を指摘する声なども上がっていた。
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