尺八演奏家を目指す京都市北区小山の市立音楽高3年松村湧太君(18)が、岡山県で開かれた「第18回全国高校生邦楽コンクール」で優勝した。
高校ではピアノを専攻する松村君。尺八とピアノを並行して練習することで鍛えた音感と正確な指運びで初の栄冠に輝いた。
岡山邦楽振興会が主催した同コンクールは、高校生個人を対象とした唯一の邦楽競技会。
尺八、琴で出場した13人中、古典本曲「雲井獅子」を演奏した松村君が優勝した。
尺八との出会いは小学6年の時。琴との二重奏で有名な宮城道雄の「春の海」を耳にして、「聞いたことのない、柔らかい音色」に夢中になった。
琴古流の石川利光氏に師事し、小学2年から始めたピアノと並行して練習してきた。
尺八は、竹に五つの穴を空けたシンプルな設計ながら、2オクターブ強の音階が出せる。
尺八で培った表現力はピアノにも生きるといい、今年5月には「堺国際ピアノコンクール」高校生の部で1位を獲得した。
音楽高の小川静夫校長は「ピアノや声楽も優秀で、将来が楽しみな生徒」と太鼓判を押す。高校卒業後は、邦楽科のある芸術大進学を目指している。
松村君は「夢は洋楽を生かしつつ、日本の若い人にもっと尺八を聞いてもらうこと」と語る。
10月5日に上京区の府民ホールアルティで開かれる京都芸術祭音楽部門では、ピアノ伴奏で「春の海」を演奏する予定だ。
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