目黒区、年度末廃止へ 千葉に設置の『興津健康学園』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20080905/CK2008090502000100.html ぜんそくや肥満の小学生が都外の恵まれた自然環境で寄宿舎生活をしながら学ぶよう各区が設けた
「健康学園」の閉鎖が続く中、目黒区も本年度末で廃止する方針を固めた。一時期は二十三区中
二十区が設置していたが、いまや存続しているのは目黒を含め八区のみ。利用した児童の親からは
「健康改善に効果的」と存続を望む声があるが、利用児童の減少や財政難で廃止の流れが止まらない。
(松村裕子)
健康学園は、都会の自治体が虚弱児童の健康改善のため、自然環境のいい場所に設けた全寮制の
特別支援学校や学級。旧麹町区(現千代田区)が一九三四年に神奈川県鎌倉市に開設した
鎌倉臨海学園が最初とされる。後にぜんそくや肥満、偏食などの児童も含め、規則正しい
生活習慣づくりと自然の中での体力づくりに当たっている。
目黒区が八七年に千葉県勝浦市に開設した興津健康学園は、小学三−六年生が対象で
定員は八十人。ぜんそくや肥満の児童は区内に約五百人もいるが、近年、利用児童は
二、三十人台。年約二億円の経費に見合うか検討した結果、「健康トレーナーの巡回指導など区内での
健康教育強化への方向転換を決めた」という。五日開会の九月議会に廃止のための条例案を提出する。
医療の進歩で在宅療養で対応できるようになったうえ、近年は親元を離れての寄宿舎生活が敬遠されがち。
子育て放棄や特殊な子どもの行く施設といった誤解も利用減につながっているとみられる。
利用した児童の親らは「区のPRや誤解を解く説明が不足している」と反論。八月に廃止撤回を求める
署名を区に提出していた。
他区でも、利用者が減少する中、財政が悪化した九七年度以降、廃止が相次ぎ、残る杉並区なども
行財政改革で廃止を検討している。
【依頼384】