日雇い労働者の街として有名な東京・山谷の簡易宿泊所に外国人旅行者を呼び込もうと、
荒川区は宿泊施設が外国人向けのインターネットのホームページ(HP)を制作する際の
費用を助成する制度を始めた。23区で初めて。 (したまち支局・安藤淳)
漫画「あしたのジョー」の舞台にもなった山谷は、かつて日雇い労働者による暴動がた
びたび起きるなど「危険なドヤ街」として知られたが、不況や産業構造の変化で、約一万
五千人いた労働者が約五千人に減少した。
その一方で、一泊二、三千円という簡易宿泊所の格安さや、成田空港から近く浅草や秋
葉原、六本木などの東京観光の人気スポットへのアクセスも便利なことから、数年前から
外国人バックパッカーが目立つようになった。最近では、出張サラリーマンや就職活動で
上京する地方の大学生なども利用するため格安ホテルの建設ラッシュが続き、一般向けに
改装する簡易宿泊所も目立ってきている。しかし、山谷の約百七十軒の簡易旅館のうち、
まだ二十軒ほどしか一般客を受け入れていない。改装かマンションにするか悩んでいる経
営者も多いという。
昨年度の都の調査では、外国人観光客の情報入手先は、ガイドブックが56・3%、H
Pが46・7%、知人が36・5%。HPが宿泊客の呼び込みにつながることは期待でき
ても、経営者にとってはHPを作るノウハウや資金、語学力もないことが悩みの種だった。
また、山谷エリアは荒川区と台東区にまたがるが、外国人旅行者へのPRと宿泊では台
東区側の旅館が先行して実績を挙げており、HPの利用で「荒川区側も追いつきたい」と
荒川区の担当者は助成の狙いを語る。
このため、同区は、HP作成時の設計委託料や翻訳料など上限二十万円まで補助する予
定。区担当者は「ガイドブックだと配っても範囲が限られる。ネットなら全世界にアピー
ルできる」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008082502000246.html ★スレ立て依頼所★