中国本土系企業として初めて東証マザーズに上場したアジア・メディア・カンパニーの前最高経営責任者(CEO)が
子会社の資産を私的流用していた問題で、東京証券取引所は1日、崔建平・前CEOを北京市公安当局に告発
したと発表した。東証が上場企業の経営に絡んで個人を告発するのは異例だ。
アジア・メディアは6月、崔氏が社内規定に従わず、連結子会社の定期預金を担保に銀行から16億円を借り、
自己の債務の弁済などに流用していたと開示。崔氏は引責辞任した。
同社は崔氏に対し、民事、刑事上の責任を追及するとしていたが、1カ月以上を経過しても具体的な責任追及が
行われていない。 このため、東証は上場企業に厳しく法令順守とコーポレートガバナンス(企業統治)を求める
姿勢を示すために、異例の告発に踏み切った。
同社は、資金流用問題で遅延していた平成19年12月期の有価証券報告書の提出を、期限の7月31日に
届け出たものの、監査法人の意見表明が得られなかった。このため、東証は監査不表明の市場影響を審査
しており、上場廃止基準に抵触する可能性が出ている。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080801/biz0808012115011-n1.htm