「家族むちゃくちゃに」 昇任へ金券、大分の校長ら家族
大分県教委の教員汚職事件で、校長、教頭の昇任試験に絡んで元県教委義務教育課参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で
起訴=に商品券計110万円分を渡したとされる同県佐伯市立小学校の校長と教頭計3人の家族らが朝日新聞の取材に応じた。
「家庭がむちゃくちゃになった」「金を渡す習慣があったのではないか」などと心境を語った。
3人は50代の女性校長と50代の男性教頭、40代の女性教頭。8日、佐伯署に自ら出向いて事情を説明した後、自宅に戻って
いないという。学校も休んでいる。
県警の調べでは、3人は08年度の昇任試験で便宜を図ってもらった見返りに、校長は10万円分、教頭2人はそれぞれ
50万円分の商品券を今年3月までに江藤元参事に渡した疑いが持たれている。江藤元参事は昇任試験の実務を担当しており、
元義務教育課参事、矢野哲郎被告(52)=贈賄罪で起訴=が江藤元参事と3人を仲介したという。
男性教頭の家族は「昇任試験を数回受けたが通らずにいたので、教頭になった時はうれしかった」と話す。商品券を渡したことは
知らなかったという。「矢野先生にそそのかされたとしか思えない。家庭はむちゃくちゃになった。一番下の子は小学生。これから
どうすればいいのか」。女性教頭の家族は「本人は落ち込んだ様子だった。今は家には帰っていない」と言葉少なだった。
女性校長宅の近くに住む女性は「いい先生と評判だったのに」と残念がる。「金に困っていたことはないと思う。金を渡す習慣があって、
そういうものだという気持ちだったのではないか」
県警は21〜22日、佐伯市教委や3人が勤める小学校などを家宅捜索した。江藤元参事を収賄の疑いで、校長、教頭の3人を
贈賄の疑いで立件する方針で捜査を進めている。
http://www.asahi.com/national/update/0726/SEB200807260001.html