落合祐里香さん「私の芸術的DVDをAV扱いするようなみなさんとは永遠にわかり合えないです」

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27 ナウシカ(山梨県)
虫食いで酷くなった倉を壊す事になった。
壊す前に整理していたら誰かが使っていたのかダッチワイフが萎んでクシャクシャに丸められて隠されていた。
親父に見せると多分結婚して今家を出ている兄が使っていたのだろうという事になった。
兄は真面目な優等生でとてもそんな柄じゃなかったが、
倉の鍵は家族しか使えないし、親父でも俺でもないなら兄しかいなかった。
オモシロ半分に空気を入れて膨らませてみたら背中に
「雌ブタめ!」と赤いマジックで大きく書きなぐられており、腹の部分には「牝奴隷2号」と同じ赤マジックで書かれていた。
下の穴の周辺も真っ赤に塗りつぶされ、何をどうしたのかその部分だけビロビロにナイロンがのびていた。
俺と親父は顔を見合わせてしばらく途方に暮れ、誰にも言わないように約束した。
その日の内にダッチワイフはハサミで分解して処分した。
先日お盆の墓参りに兄が義姉と一緒に泊りでやってきた。
俺は先日のダッチワイフの事が頭によぎったが何も言わなかった。親父も何も言わなかった。
でも2人にはちゃんとわかっていた。
義姉がどうして猛暑にも関わらずタートルネックの服を着ているのかも、どうして水仕事をする時でも裾を捲らないのかも、
そして兄が、どうしてペットも飼っていないのに鎖と首輪を所持しているのかを。
それでも、何も知らないふりをした。何も気付かないふりをした。
そしてその事について何も語らなかった。語れなかった。
俺と親父の夏は終った。