北朝鮮・拉致問題:田口八重子さん拉致30年 戻らぬ時間、重く 川口で集会 /埼玉
◇全員救出願う声−−400人参加
川口市出身の拉致被害者、田口八重子さん(行方不明時22歳)が北朝鮮に拉致されて30年目の29日開かれた「拉致問題を考える川口市民の集い」には、
400人が参加し、拉致被害者と特定失踪(しっそう)被害者全員の早期救出を願う声で埋まった。
集いは、JR川口駅前の市民ホール・フレンディアであり、拉致問題を考える川口の会が主催し、県や川口市などが共催した。
田口さんの兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんや長男、飯塚耕一郎さんら家族のほか、中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)、上田清司知事、岡村幸四郎市長らが参加した。
耕一郎さんは「拉致当時1歳だった私には、今の姿が30年そのもの。家族が戻れない時間だったが、ひとかけらでも取り戻したい」と厳しい表情で語った。
繁雄さんは「私たちの目的はいとしい家族を取り返すだけ」と妹の帰りを待ち続けた思いを述べた。
さらに、米国のテロ支援国家指定解除について「北朝鮮に対し強い態度で臨むという思いとは逆の方向に行ってしまった。
福田(康夫)首相には『お願いします』ではなく『(拉致被害者を)かえせ』と強い態度で取り組んでほしい」と語り、会場から大きな拍手が上がった。
岡村市長は「家族の方々に心が休まる日があっただろうか。政府の弱腰を感じざるをえない。拉致や特定失踪被害者が7人いる川口市としても、できることをやっていく」と約束した。
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20080630ddlk11040125000c.html