http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008062202000134.html 副都心線池袋−渋谷間の一日当たり乗降客数(グラフ)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/images/PK2008062202100016_size0.jpg 埼玉県和光市と東京・渋谷をつなぐ東京メトロ副都心線の開業から二十一日で一週間が経過した。
首都圏の新たな大動脈として期待されながら、初日からトラブル続きで利用者の敬遠が危ぐされる
事態となっている。 (社会部・稲熊均)
副都心線池袋−渋谷間の一日当たり乗降客数(概算)は、開業初日の十四日が二十六万六千人だったのに対し
十六日には十二万二千人に減少した。
この日は西武線との乗り入れをめぐるトラブルなどで朝からダイヤが乱れ、振り替え輸送を終日実施したため
利用者の多くが他社線に流れた。ただ、十七日をみると、午前中、停電で一部混乱したものの、午後は正常運行
に戻ったにもかかわらず利用者はさらに減少。丸一日正常だった十八日も前日比でほとんど増えていない。
東京メトロは「正確な数字が出ないと分析できない」とするが、他の鉄道関係者は「初日から四日連続の混乱で
当面は副都心線を避けようとの心理が利用者に働いたのではないか」とみている。
一連のトラブルについて東京メトロは、他社線との複雑な乗り入れ運行に不慣れだったことが主要因と説明。
加えて、相互乗り入れ駅での案内表示の紛らわしさも利用者の混乱を拡大させた。
象徴的だったのが最も大きなトラブルの起きた小竹向原駅ホームの行き先表示板。同駅では上りの一
二番線双方から有楽町線、副都心線が出発するが、表示は副都心線は一番線、有楽町線は二番線と
固定化されている印象を与えた
どちらの電車に乗ればいいか迷う利用者でホームはごった返し、十六日の大幅な遅延につながった。
このため、東京メトロは十九日から新しい表示板に切り替えた。
同社の瀬ノ上清二運転課長は「基本的なミスが重なり、混乱に拍車をかけてしまった。問題を一つ一つ再点検
修正し、正常な運行を心掛けていきたい」と話している。