全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が発表した、介護報酬引き上げや利用者負担軽減などを求める介護保険の「緊急改善要求」に、
五百を超える介護事業所から賛同が寄せられ、大きな共感を広げています。
改善要求は、(1)介護労働者への十分な給与保障を可能とする介護報酬の引き上げ(2)利用者、高齢者の負担軽減、低所得者対策の拡充などの制度改善―が柱。昨年十月に発表し、全国の事業所に届けました。
経営成り立たず
賛同署名とともに返送されてきた「意見欄」には、「低すぎる介護報酬で事業所の経営が成り立っていない」など、実情を訴える声がびっしりと書き込まれているものが多くあります。
「利用者に寄り添ったよりよい介護で家族の負担を少しでもやわらげたいが、介護報酬を上げてもらわないと人材確保が不可能」
「事業所が赤字にならない程度の報酬にならないと今後存続は難しく、利用者にとって保険があっても介護が受けられない状況が起こってくる」など、具体的な声が目立ちます。
介護現場の人材不足を告発する意見も相次いでいます。厚労省の調査では、低賃金などを理由に、一年間で五人に一人が離職しています。
「低賃金から独身層は結婚したら生活が成り立たないので、他業種に流れていかざるを得ない」
「介護スタッフは募集しても集まらず、深刻な人手不足に陥っている。スタッフが連休や有給を取ることもままならず、
今いるスタッフの体力と善意で会社が成り立っている状態」「ヘルパー不足のため一年間、ハローワークに求人募集を出しているが応募がない」
利用控える人も
利用者が経済的理由でサービス利用を控えている実態も紹介されています。「訪問看護を行っているが、
利用料金の負担が大きいため、利用回数を減らす家庭がある」「介護保険改正による利用者負担増や、
要支援者の利用回数減で、リハビリの効果が低下・悪化したり、利用者がサービスを利用したくてもできないという現状になっている」など、深刻です。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-06-19/2008061904_01_0.html