http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2008060502000132.html <私の考えは明白です。共に力を合わせましょう>。四十二歳の政治家はこう切り出した。
過去三年間、米国で起きたことが<分裂、暴力、社会への幻滅、黒人と白人の対立、貧富の格差、世代の対立>
だったからである
▼今のことかと間違えそうだが、四十年前のきょう銃撃されたロバート・ケネディ元司法長官が大統領選挙の
予備選で訴えた内容である。立候補時には、誰かに反対するのではなく「新しい政治」を提案したいと宣言している
▼米国は兄のケネディ元大統領も暗殺により失っている。四十六歳だった。就任演説では<われわれが
かの最初の革命の継承者であることをゆめ忘れるものではない>と変革の必要性を説いている
▼きのう、大統領選挙で民主党候補となることを確定させた四十六歳のオバマ上院議員は「今こそ米国は一つで
なければならない」「米国は変われる」と訴えてきた。ケネディ兄弟と同様に希望のともしびを掲げているように見える
▼国を一つにまとめて変えていくことが、口で言うほど簡単でないことは確かだろう。でもできると信じて行動
しない限り、何も始まらない。これも確かである
▼これからは共和党の七十一歳になるマケイン上院議員との争いになる。その結果は米国だけでなく
世界の未来を大きく左右する。無理と分かっていても、一票を投じたい欲求にかられる。