目の前の些事(さじ)に目を奪われ勝ちだが、わが国の根幹にかかわる危機は確実に進行している。皇室の危機のことだ。
皇室を巡る危機は大きく2つある。
1つは言うまでもなく、皇位継承問題だ。
幸いにして秋篠宮家に悠仁親王殿下が誕生して男系・女系を巡る皇室典範改定の危機はひとまず去った。
だが、悠仁親王殿下が皇位を継承される頃にはすべての宮家が消滅する。
旧宮家の皇籍復帰など皇族の数を増やす措置が必要だろう。
2つ目の危機はいっそう深刻だ。
最近、皇太子妃殿下のご病気の原因として宮中祭祀(さいし)に違和感を持たれていることが指摘され、
そこから宮中祭祀の大幅な簡略化ないし廃止が唱えられるようになった。
宮内庁も天皇・皇后両陛下の健康問題を理由に、少なくとも簡略化の方向にもっていきたい意向だ。
略
最近の簡略化ないし廃止の動きが過去のこのような動きとどのように関係するのかは定かではないが、
日本の伝統に違和感を覚える一部の外務官僚が宮内庁に影響力を拡大していることと無関係とは思えない。
また、原氏の背景も気になるところだ。
繰り返すが、宮中祭祀は皇室の存在理由そのものだ。
皇室から「祈り」を奪う動きは、本人の意識はともかく、新種の天皇制廃絶論と断ずる他はなかろう。
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/080605/imp0806050311000-n1.htm