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358 セイラ・マス(福岡県)
(>>1の続き)
 昔はこんな珍妙な観光客はいなかったという。張田住職の妻和子さんによると、人が増え始めたのは、一九八〇(昭和五
十五)年にテレビアニメのサザエさんで一家が金沢を訪れ、カツオが忍者寺を探検してからだという。ただし、子供たちはい
たずらをして回っていたが、大人に悩まされることなどなかったそうだ。

 加賀藩が祈願所として建立した忍者寺は外敵の攻撃をかわすため、さまざまな工夫が凝らされている。幕府の決まり通り
、外から見ると二階建てだが、中に入ると階段が二十九カ所もあり、七層四階建ての構造となっている。しかし、こんなモン
スターたちの攻撃があるとは、加賀藩も思いもよらなかっただろう。

 張田住職が、もう一度、壊れた菩薩像に目をやった。この菩薩像は、さすると自分の病や傷が癒えると伝えられており、顔
を見ると、ほとんどのっぺらぼうになっている。永くあがめられてきた証しである。「もしかしたら、誰かが首がとれそうな大事
故を免れたのかもしれんね」。そうでも思わないと救われない。菩薩像からも、嘆きが聞こえた気がした。

◆妙立寺(忍者寺) 一六四三(寛永二十)年創立。日蓮宗に属し、正久山と号する。開祖は立像寺初代日樹の弟子一樹院
日通。建物は二階建てであるが、一部三、四階になっているなど、本堂や庫裏(くり)にはさまざまなカラクリが施され、忍者
寺として観光名所となっている。

頭部と胴体が切り離された浄行菩薩=金沢市野町1丁目の妙立寺
http://www.hokkoku.co.jp/news/HT20080606401.jpg
http://www.hokkoku.co.jp/news/HT20080606401.htm