国会の会期末まであと3週間ほど。いまだに衆参の「ねじれ」を解く新たな仕組みは見つからず
最近は参院不要論や一院制などの議論が活発です。改革は本当に必要か。何を改めるべきなのか。
若手政治学者で東京大特任准教授の菅原琢さんと考えてみました。
記者・清水 孝幸
清水 先月、「ねじれ国会」になって衆院で三度目の再可決が行われました。与野党が対決する法案は
野党が多数を占める参院で否決されるか、たなざらしにされて衆院通過から六十日以後に、与党が三分の二を
占める衆院で再可決、成立する。そんなパターンが定着した感じです。こんな国会をどう見ますか。
菅原 パターンができたことは悪いことではないと思います。今まで混乱してきたのは、「六十日以後」を
あまり前提とせずに、政府・与党が法案の審議日程を組んでいたからです。衆院での再可決という出口から
逆算してスケジュールを組めば、無用な混乱は避けられます。
再可決以外の出口もあります。三月にはガソリン税以外の暫定税率の法案を与野党の話し合いで成立させました。
溝の深いもの以外は合意を得て成立させる。こうした方法も含め、最終的に可決できるのですから
別に問題はないと思います。
清水 参院で事実上、法案が六十日間も放置され、国会の形骸(けいがい)化を指摘する声もあります。
菅原 まったく議論がないわけでなく、その間に国会の奥に隠されていた問題が表に出てきた。
国会が動かないところだけを見れば、よくないと思うかもしれないけれど「こんな問題がある」と
世の中にショーウインドーのように見せ、有権者に考えさせる機会を与えたという意味では非常によかった。
与野党の政治家にとっても、重要政策への有権者の反応を確認し、自らを軌道修正する機会になるはずです。
そのチャンスを生かせるかどうかが今後の鍵です。
続きはソースで
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/sokkyo/news/200805/CK2008052702000119.html