綾瀬市が二〇〇七年度に発注した市道10号をめぐる舗装補修工事の手抜き問題で、国と県が「不良工事」を
理由に補助金計約四千万円の不支給を決定していたことが二十日、分かった。
市は補正予算を組むなど”持ち出し”で対応する方針だ。
国は、ジェット機が飛来する基地などを抱える自治体に「特定防衛施設周辺整備調整交付金」として、道路工事
や公園整備など生活環境整備費の一部を補助している。
事業完了後、自治体が防衛省に報告し、完了の確認を経て交付される仕組み。
市道10号(寺尾西一丁目-寺尾釜田三丁目)の舗装補修工事の事業費は約四千六百万円で、市はこのうち九割
について同交付金約三千二百万円と、県の補助金約八百九十万円を見込んでいた。
市は三月末の完工を同省と県に届け出ており、いずれも補助金の交付を待つだけとなっていた。
ところが、関係者の情報で市が四月二十四日までにボーリング調査をしたところ、設計図より舗装材料が少ない
など強度不足が判明。
これを受け翌二十五日、防衛省と県が「工事が完了したはずなのに、目的物ができていない」として補助金の
不支給を決めた。
市は五月十九日、市議会全員協議会で一連の経過を説明した。
市は、市内の元請け業者に約千八百六十万円を前払いしており、業者によるやり直し工事が完了次第、残る
約二千八百万円を支払う必要がある。
このため、本年度予算の道路維持管理費の一部を充てたり、補正予算を組んだりして工面する方針。
元請け業者の指名停止処分も今後検討するという。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiimay0805385/