先ごろその内容が明らかにされた報告書によると、航空各社はこれまで推測されていたより20%も多い
二酸化炭素を環境に排出しており、2025年までには年間排出量が15億トンに達する可能性があるという。
これは、『気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)が予測する最悪の値さえもはるかに上回っている。
これがどれほどの数字かというと、たとえば、欧州連合(EU)がが現在1年間に排出している二酸化炭素の
量は約31億トンにのぼる。そう、27の加盟国と、4億5700万の人口からなるEU全体でこの量なのだ。
この報告書『Trends in Global Aviation Noise and Emissions from Commercial Aviation for 2000 to 2025』
(商業航空による騒音と排出の世界的傾向:2000?2025年)は、航空業界の排出量増加に関する推計では
最も権威あるものの1つで、米運輸省、欧州航空航法安全機構(ユーロコントロール)、イギリスの
マンチェスター・メトロポリタン大学、および技術会社の英QinetiQ社がまとめたものだ。
現在の燃料使用量をさまざまな手法を使って計算し、その結果と、今後予想される航空機利用の伸び率を基に、
2025年までの排出量を予測している。
この報告書の内容を公表したイギリスの航空環境財団(AEF:Aviation Environment Federation)の広報担当者
Jeff Gazzard氏は、英国紙『Independent』に次のように語っている。
「これほどのペースで二酸化炭素排出量が増加すれば、技術の進歩では到底相殺しきれないだろう。従って、
2025年までに航空機は、地球温暖化の要因としてこれまで予想されていた以上のものになる。各国政府は、
航空輸送の無制限の拡大を抑制する措置をとらなければならない」
http://wiredvision.jp/news/200805/2008051920.html