裁判官「脳脊髄液(むち打ち)症は100%甘え!患者の主観的な訴えは信用できない」
静岡県牧之原市で2002年8月に起こした自動車事故で、相手の女性(64)が脳脊髄(せきずい)液減少症になったとして、
業務上過失傷害罪に問われた自動車修理販売業の男性(64)の判決が19日、静岡地裁であった。長谷川憲一裁判長は
傷害を同症ではなく3週間の全身打撲と認定し、罰金30万円(求刑罰金50万円)を言い渡した。
同症は交通事故などの衝撃で脳内の髄液が漏れて起きるとされるが、確立した診断基準がなく、事故との因果関係が焦点だった。
長谷川裁判長は女性の被害について、頭痛やめまい、全身の痛みで夫の介助なしに生活できず、「悲痛なまでに深刻」と認定した。
しかし、脳脊髄液減少症は症状と仕組みの論理関係で不明な点が問題視されているとし、「医学的、論理的に因果関係を
肯定するのは困難」と指摘。仮に同症の基準に照らしても、検査で明確な所見が出ておらず、「被害者の主観的訴えのみでは
認定できない」と述べた。
その上で、同症はせき込みなどによっても発症するとされており、「事故なくしては症状なしとするには合理的な疑いが残る」として、
事故との因果関係を認めなかった。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008051900014